しかし、病院は孤立「水、食料がない」

患者の命は助かりましたが、周辺の道路は津波で浸水し病院は孤立状態。次は「生き延びる」という課題を突きつけられました。当時、高階院長が頼ったひとつがラジオです。tbcラジオに寄せられた当時のメールとそれを読み上げる音源が残っています。

当時のラジオ音源:(2011年3月11日午後10時40分頃)
「岩沼市の南浜中央病院です。入院患者は無事ですが、水、食料がなく医薬品もありません。入院患者の救助をお願いします。院長の高階さんからいただいています」

南浜中央病院 高階憲之院長:
「まず無事だということを伝えないといけない。一番関心があるのはそれ。患者さんが無事ですと。あとになって無事で良かったですと患者さんの家族から言われて良かったなと思った」

さらに、一夜明けた3月12日、職員らはある行動を起こします。石灰を使って屋外に「SOS」の文字を書いたのです。

看護師:
「外部に連絡をとる手段もなくて石灰があるねって話になって書いてみた」
「生きてるよ、人がいるよみたいな」
「ヘリコプターの音が聞こえるから連れて行ってもらえるんだろうなと」

このメッセージを空から見つけた人がいます。JNN取材団としてヘリコプターに乗っていたTBSテレビの藤森祥平アナウンサーです。

TBSテレビ 藤森祥平アナウンサー:
「見るものがすべて信じられない、想像がつかないような景色が眼下に広がっ
ていまして」
突きつけられたのは、津波被害の現実と自身の無力さでした。
【後編に続く】「リポートするだけの自分に虚脱感」屋上のSOS上空から伝えたアナウンサーの葛藤