救済新法が成立「本当に感謝したい」

20日後。
「家庭の問題だとか、たまたま悪質なカルトのもとに生まれてしまって
ただ運が悪いのかという問題だけではない。一刻も早く今期の国会で二度と同じような宗教被害者が生まれないように法整備をしていただきたい」(10月27日 厚労省での2世合同会見)
小川さんの覚悟は、他の「宗教2世」たちの心にも響いていた。与野党も動き、異例の早さで救済新法が成立した。衆議院を通過した日、小川さんの瞳には涙が。
「被害者の声を聴いて 信じてくださって、そして助けたいと思ってくださった議員さん方に 本当に感謝したい」(12月8日 衆議院通過後の会見で)
「同じ思いする子どもがうまれないように」

しかし、残された課題はたくさんある。中でも小川さんが指摘してきたのは、扶養を外れると親の寄付を取消すことができない「家族の取消権」の問題だ。新法では、宗教2世たち子どもが被害を訴えることになお高いハードルがある。
「宗教2世の人権・信仰の強制、宗教の人権侵害は課題が残っている部分がある。まだまだ見過ごさず 議論を続けていってほしい。自分と同じ思いをする子どもが これ以上うまれないように自分にできることがあるなら 頑張りたいと思う」(12月8日 衆議院通過後の個別取材で)
新法成立はゴールではない。何十年と見過ごされてきた「宗教2世」たちの思いによって、やっと問題解決への一歩が動き出したのだ。
MBS報道情報局 山口綾野