長野県松本市の寺におよそ200年前から伝わる木像で地獄の様子を表現する「地獄めぐりの回廊」が完成しました。

松本市内田の古刹・牛伏寺(ごふくじ)に完成した回廊。

悪行を重ねた者が、亡くなったあとに落ちるとされる地獄の様子が順番に描かれています。

「こちらは亡者といって亡くなってこれからいよいよ閻魔様の裁きを受ける前の段階の方々ですね」

激しい形相で、裁きを下す閻魔王(えんまおう)。今回、仏師(ぶっし)によって新たに造られました。

「これから地獄へ連れていかれるという場面で、鬼が火の車に乗せてこれから行く」

地獄での苦しみを伝える木像は、およそ200年前の江戸時代に造られたものです。

およそ20体が2年をかけて修復されよみがえりました。

恐ろしく描かれる地獄図。

大谷副住職は、見た人が、自分の行いを顧みるため、当時製作されたのではと、話します。

そして回廊の最後に立つのが「地蔵菩薩像(じぞうぼさつぞう)」。

閻魔王(えんまおう)の化身ともいわれ、地獄に落ちた者を救います。


(牛伏寺・大谷宥秀(おおたに・ゆうしゅう)副住職)「悪いことをすると閻魔様に舌を抜かれる地獄に行ってしまう実際どういった世界なのか200年前の人々はどんな思いで像を見ていたのかそんなことも考えて頂きながらごらん頂ければ」