脅威だけでも市場は反応 イランの狙いは遠回しの“石油戦略”か

齊藤貢 元イラン大使:
では、どうするのかというと、むしろ対岸のアラブ産油国の石油の輸出施設を狙うのではないかと思います。
ホルムズ海峡を封鎖しようとすると米軍の邪魔が入りますが、対岸にはいくらでも石油関連施設があるわけです。全てがカタールの米軍基地のように厳重に警備されているわけではありません。
そちらの方がイランにとっては明らかに簡単なターゲットで、既に短距離弾道ミサイルとかドローンを使っているようですが、攻撃措置能力はあります。
ホルムズ海峡からの石油の輸出を完全に止めるかどうかはわからないけども、脅威を与えるだけでも国際石油市場は反応して石油の値段が暴騰します。
アメリカ国内の原油はシェールオイルで賄ってますが、原油の国際価格が上がればシェールオイルの価格も上がります。遠回りなのですが、イランはそういう形でトランプ大統領に圧力をかけるというのが、軍事的にはかなわないけども石油戦略になります。
ただ、ここで大きな疑問があると思います。「そんなこと言ったって関係ない国を攻撃していいのか」と。これについてはイランは過去に例があります。
形としては、イエメンのフーシ派というイランの影響力が強いグループが犯行声明を出しましたが、サウジアラビアの石油の生産関係の施設が、イランのミサイルとドローンで攻撃・破壊されて、2週間、石油の輸出が止まったことがあります。
この時はトランプ第1次政権で、対イランの経済制裁を再開して石油輸出ができなくなりました。先ほど言ったように、イランは「イランが石油の輸出できないならば、他の国も輸出できない」というメッセージを実行したわけです。
だから私は、イランが関係ない国の石油施設を攻撃しても驚きません。














