中東で重要なのは“メンツ” イランが「可能な限り報復を続ける」とみる理由
駒田健吾キャスター:
今回の反撃というのは、これまでとはレベルが違うようにも感じます。今後、イランの取る行動というのは、何が予想されますか?
齊藤貢 元イラン大使:
話がズレるかもしれませんが、ワシントンにいた時、専門家の間で懸念があったのは、過去2回、イランはアメリカに対して報復しているわけです。
2020年にソレイマニ将軍という革命防衛隊の有力者を殺した時、イランはイラクにある米軍基地を弾道ミサイルで攻撃しました。ただし、これは事前にアメリカ側に通報していて、アメリカ側に人的なダメージはありませんでした。

2025年6月の12日間戦争のときに、米軍が空爆したことに対して、カタールの米軍基地を攻撃しましたが、これもアメリカ側に被害が出ないような攻撃をしたわけです。
非常に懸念されたのは、これまでイランはアメリカとの衝突をエスカレートさせたくなかったから意図的にダメージがないように攻撃をしていました。ただ、ここでなぜ報復したかというと“メンツ”の問題があるわけです。
私はイスラエル含め、中東何か国で勤務したことがありますが、中東ではメンツは非常に重要。メンツが潰れたら、メンツを回復しないといけないわけです。
イランに何ができるかといったら、やはり報復攻撃をして、できる限りアメリカとイスラエルにさらにダメージを与えること。そうしないと、中東のいわゆる国家間の関係でもたないし、それだけではなく国内的にも、最高指導者を殺されたのに政府が何も仕返ししないのか、という国民からも突き上げが来る。なので、イランはおそらく可能な限り報復を続けると思います。
私は“非対称戦への移行”ということを言っています。これは要するに、軍事的にイスラエル・アメリカ連合軍対イランでは、イランの分が悪いわけです。まさに今回最高指導者が殺され、軍事的な衝突を続けたらイランに勝ち目がないと。
そこで、ゲームの場をもう1個作ると、“非対称”になります。アメリカはあくまで軍事力で押し切ろうとしているけれど、イランは別のところでアメリカに強いダメージを与えるという戦略に出るのではないかと思います。














