「ホルムズ海峡封鎖」は現実的ではない? 元イラン大使の指摘
齊藤貢 元イラン大使:
具体的には何かというと、石油戦略だと思います。
イラン側の認識としては、トランプ大統領はもうすぐ中間選挙を控えている。かつ、これから暖かくなるとドライブシーズンで、ガソリンの需要が増えます。そこでアメリカのガソリン価格を上げたら、選挙前のトランプ大統領は困るだろうと。国民からもすごく文句が来ると思います。
バイデン政権の時も一時期、石油の値段が上がり、仲の悪かったサウジアラビアの皇太子のところへ頭下げて「石油を売ってくれ」と頼んだくらいです。

巷では、「ホルムズ海峡の封鎖」という話が出ています。イラン側もこれまでも繰り返し「ホルムズ海峡を封鎖する」と言ってきました。それだけではなく、「イランが石油を輸出できないなら、他の国にも輸出させない」というメッセージも込められています。
今、イランは戦争状態になってしまいました。これまでは1日約200万バレルの生産量のほとんどを中国に輸出していたのですが、今、この状態では輸出できません。わかりやすいのは、ホルムズ海峡を封鎖すれば、サウジアラビアやUAE、カタールとかクウェートなども輸出できなくなります。
ただホルムズ海峡封鎖説というのは、私は非現実的だと思っています。なぜかというと、これは今回のような戦闘状態でなくても、常日頃、ホルムズ海峡の辺りでは、アメリカの軍艦が張っていて、そこには第五艦隊という中東艦隊があります。
実際、イラン側が妨害行為をするとすぐ米軍が出てきてストップをかけたりしている。今はもっと厳しく監視しているはずです。
イラン側が小型ボートで来るなどと言われているのですが、アメリカが絶対に許さないと思う。ホルムズ海峡を封鎖することは可能かもしれませんが、石油市場に大きなインパクトを与えるほど長期間の封鎖は私は難しいと思います。














