イランの後継者は? パーレビ元皇太子か、ラリジャニSNSC事務局長か

駒田健吾キャスター:
トランプ大統領がその候補者が数名いると言ってました。これは見当がつきますか?

齊藤貢 元イラン大使:
リストが公表されていないので、わかりませんが。
アメリカには非常に優秀なイランの専門家もいますから、ハメネイ師を排除しても「簡単に体制が倒れない」というのがわかっていて、実は後継者候補というよりは、革命防衛隊の中の一部の人間と、実は密かに連絡を取っているようです。革命防衛隊の中でもいくつかの派閥があるので、自分が推す人間を最高指導者にしようとする手筈を整えているから、数名という言葉が出たと思います。

駒田健吾キャスター:
国外に亡命しているパーレビ王朝など、流れを汲む人たちが攻撃前には取り沙汰されていましたが、その人たちが帰ってくるという可能性というのはどうでしょうか?

齊藤貢 元イラン大使:
なぜパーレビ皇太子かというと、イランのイスラム革命体制を崩壊させたとしても、イランの国内にはいわゆる全国的な強力な反政府組織はありません。そうすると、権力の空白が起きてしまうので、それを埋めるためにアメリカやイスラエルがパーレビ元皇太子を戻してやろうかという考え方だと思います。

ただ、ワシントンで話したイランの専門家も私と全く同じ意見で、パーレビ皇太子は全くイラン国内では人気がないです。だから彼が帰っても支持が集まらないだろうと言ってました。

これは人づてに聞いた話ですが、イランにいる知り合いに「パーレビ皇太子が帰るとなったら、どう?」と聞いたら「彼には早く帰ってきてほしい」と言っていました。「本当に?」と聞くと「早く帰ってきてもらって殺したい」と言っていたようで、国内では人気がないですね。

秌場聖治 元JNN中東支局長:
一部の報道では、ハメネイ師が亡くなったときに合わせて、ラリジャニさんに少なくとも政府の権限を与えてるのではないかという報道もありました。この、ラリジャニさんはどういう方なのか、可能性について、どうご覧になっていますか。

齊藤貢 元イラン大使:
まず第一にですね、ラリジャニさん自身は聖職者ではないので、最高指導者になることはないと思います。

ラリジャニさんは、私がイラン大使のときに国会議長をしていましたが、今のSNSC(最高安全保障委員会)の事務局長というのは、イランでは非常に重要なポストです。例えば前の前のロウハニ大統領はSNSCの職をやっていました。国会議長も既にやっているので、大統領を狙うことができる有力者です。

彼はラリジャニ3人兄弟と呼ばれていて、3人とも非常に優秀でイラン政府の要職にいます。彼が少なくとも後継指導最高者に選ばれても、引き続き、権力に非常に近いところにいるというのは事実です。

ただ、彼がキングメーカーの役割を果たせるかというと、それはむしろ革命防衛隊。さっき申しましたけど、革命防衛隊がキングメーカーをやると思います。