2006年の逮捕は“週6日の外出許可”“13か月で保釈” 「正義の歪曲」を動かした報道

エプスタイン元被告が、2019年に逮捕されたきっかけは、マイアミの地元紙の調査報道だった。

実は、エプスタイン元被告は、2006年に一度逮捕されているのだ。

多くの性的暴行の証言があったが、未成年者への性的虐待などの罪では起訴されず、売春勧誘1件のみの軽い罪で刑が確定した。

禁錮18か月だが、週の6日は外出が許可されたうえ、13か月で釈放された。

このときのマイアミの連邦検事がアコスタ氏。

エプスタイン元被告が軽い罪を認める代わりに、司法取引を行い、将来にわたって起訴しない免責も与えたという。

このアコスタ氏は約10年後、トランプ政権の労働長官に就任した。

これに疑問を抱いたのが、地元紙「マイアミ・ヘラルド(調査報道部門)」のジュリー・ブラウン記者だった。

マイアミ・ヘラルド(調査報道部門)ジュリー・ブラウン 記者
「加害者を逃した男が人身売買を取り締まる機関の長官になることを、被害女性たちはどう思うだろうか。それが(調査報道の)始まりでした」

2018年11月、マイアミ・ヘラルドは「正義の歪曲」というタイトルで調査報道キャンペーンを展開した。

当時、調査報道部門の編集長を務めていた、ケイシー・フランク氏が取材に応じた。

山本恵里伽キャスター
「エプスタイン問題は長年、闇の中にありました。どうしてだとお考えですか?」

マイアミ・ヘラルド(調査報道部門)ケイシー・フランク 元編集長
「エプスタイン元被告の弁護団が巧妙に事件を葬り去ったためだと思います。司法取引の内容を、被害女性たちに知らせないよう(検察側に)要求したのです。ジュリー・ブラウンが掘り起こすまで事件は終わったことになっていた」

捜査が一旦終了してしまった中で、改めて、被害者に協力を求めるのは困難を極めたという。

マイアミ・ヘラルド(調査報道部門)ケイシー・フランク 元編集長
「エプスタイン事件の膨大な記録を調べて、被害者につながる小さな手がかりを探さなければなりませんでした。

ジュリー・ブラウンは60人を探し出しました。8人が取材に応じ、最終的に4人が実名で証言しました。被害者が声を上げるきっかけになったことを誇りに思います」

マイアミ・ヘラルドの報道から半年余り後の2019年7月6日、エプスタイン元被告は、未成年者の性的人身売買容疑で逮捕された。

起訴したジェフリー・バーマン連邦検事は…

ジェフリー・バーマン連邦検事(当時)
「素晴らしい報道が捜査の助けになりました」

逮捕から6日、司法取引をしたアコスタ労働長官の辞任が発表された。