「存在自体がジャンル」小泉今日子さんが語るアイドル論

アイドルデビューから44年。1982年に歌手デビューした小泉さん。「キョンキョン」の愛称で親しまれ、トップアイドルへと駆け上がりました。

上村
「今、全国ツアーの真っ只中ですが、60歳になっても歌っていると思っていましたか?」

小泉今日子さん
「思っていなかったですね。(デビューした)16歳にとって10年後もすごい遠い未来に感じていたから、10年歌うと思っていなくて、その頃。でも、それが積み重なっていって、今44年になって。人生の途中ではもっと別のことを学ばなきゃと思ってあまり公で歌っていなかった時期も多少あったりして。今また歌うことというか、ライブが楽しくてですね。いい仲間がたくさんいて、みんなで同じ方向を向いて何か作っているという環境が今とても幸せなんです。だから、(今でも歌っているとは)思っていなかったけど、『すごいいい場所にたどり着いたな』という感覚はありますね」

上村
「ラジオでは共演していますが、私は誕生日当日のNHKホールで初めてスーパーアイドルとしての小泉さんを間近で見させていただいた。まだまだ現役のアイドルとご自身で捉えていますか?」

小泉今日子さん
「自分では私は『アイドルです』と歌の中でしか言ったことがない。違和感とは言わないけど、若い頃に『アイドルって何なんだろう』と思って、辞書で調べたら『偶像』というふうに出てきて、その『存在自体がジャンルなんだ』と納得をして、だとしたら、どんな音楽をやっても、どんなお洋服を着てもアリなんじゃない?という、勝手に持論を自分の中で見つけて、色んなことにチャレンジ出来た。だからそういう意味では、未だに私はアイドルなのかもしれないです」

上村
「『ChatGPT』に『小泉今日子さんはまだアイドルですか?』と聞いてみたんです。そうしたら『アイドル性を再構築した存在』『若さを売らないアイドルのロールモデルで日本でほぼ唯一成功させた人』と出てきました」

小泉今日子さん
「ありがたいです。嬉しいです。形としてのカテゴライズというのは、本当はその言葉に当てはまらないんじゃないかなというのはずっと感じているので。だからそれを更新していけば、ずっとその言葉で呼ばれるってことでいいのかなという気はしています」

『別に昨日と変わらない今日』迎えた「60歳」 これからは旅人?

全国ツアーのさなか、迎えた誕生日。本番前、取材に応じてくれました。

上村
「日付が変わる瞬間は何をされていましたか?」

小泉今日子さん
「寝てました。本当に誕生日とか、あまり意識しないようにしていて」

それでも、ネイルは“還暦”を意識した赤に。少し色味の異なる2色の赤が交互に塗られていました。普段はご自身でマニキュアを塗られていますが、全国ツアー中はなかなか時間がとれないからと、人生3、4回目くらいのジェルネイルにされたそうです。

小泉今日子さん
「60歳になると、人によっては定年退職を迎える年。だからきっと私にとっても、何かの節目なんだろうなと思って生きていて、なんか迎えてみると『別に昨日と変わらない今日が来た』という感じだった」

「5月までこのツアーがずっと続く。それが終わったら少し久しぶりに休養期間をいただいて、その間に『これから何をしようか』と考える時間をちょっと設けてみようかなと」

「どうしても日常的に仕事をしていると、インプットよりアウトプットの方が多くて、でもそれで苦しいときもあるんですね。なので完全にインプット期間という感じで。若い頃は色んなところに旅をして、そこで見たもの感じたものが作品に繋がっていくような感覚があったんですけど、それを久しく味わっていないので。ツアーが終わったら、私は旅人になろうと思ってます」

上村
「そこで自分がどんなことを吸収して、どんなことを表現したいと思うのか。心の思うままに?」

小泉今日子さん
「なんか計画を立てるのがあまり好きじゃないというか苦手で、なので割とピンボールみたいに、ポンってこっち行って、ここでこっちに跳ね返ってというような生き方が好きなので、旅もきっとそんな感じになると思います」