流行りの凶器や“殺し方”をリサーチ 監修依頼を受けてしたこと

ドラマ『リブート』より

裏社会監修にあたり、制作チームからはある要望を受けた。

「視聴者が違和感を感じない程度に、昨今の犯罪との大幅な乖離(かいり)や、矛盾はないようにしてほしいと言われました。僕としては、その方がやりやすかったですね」

「新しい犯罪を考える、といった類いの話ではなく、今あるものをコラージュやアレンジする。監修する側としても望むところ、といった思いでした」と、スムーズに自身の仕事ができたという。

その中でも、ディテールには気を配った。自身のネットワークを活用して情報を収集。「今の裏社会の人間はどんな殺し方をするのか」「最近流行りの凶器は?」などの話を聞いていった。

「こうした仕事を受けると、自分の中での裏社会知識を強制的にアップデートしなければいけない。その作業自体も、楽しかったです」と、裏社会の“トレンド”を探った経緯を振り返る。

一方で、裏社会監修をする中で、「本当に難しかった」と苦労した点も。

それは、「リアルとフィクションの線引き」について。「リアルを知っているからこそ、そこの寄せ方・引き方を見誤ってしまうと、裏社会的には“ジョーク”になってしまうような描写もある。そこが他の仕事でもいつも迷うところです」と難しさを明かす。「リアルに寄せすぎず、かといってフィクションにも寄らない」バランスでのリアリティーを目指したという。

「裏社会側が(一般社会に)寄せてくるケースもあるんです」と語る丸山さんにその具体例を聞くと、人気映画やドラマに出てくるシーンを見て「あの作品みたいなことをやってみようぜ、とまねする人たちもいる」と、その意外な“ミーハー”ぶりを明かしてくれた。

「そうなると、今回ドラマの裏社会監修をしていても、一概に全部がフィクションとも言い切れなくなりますよね」と続ける。

裏社会の中にも混在する、リアルとフィクションっぽさ。それは、友人が話していたあるエピソードでも感じたという。「友達が、本物の死体は、至近距離ではフィギュアにしか見えない、と言うんです。でもそこから徐々に離れると、“ある地点”で突然、死体に見えて、さらに離れると風景になる」。

リアルで近すぎると本物に見えず、ほどほどに引いて離れた方が、リアリティーが出てくる。距離感で見え方が変化していくことに気づいたことは、自身の中でいろいろな線引きをしていく上で大きなヒントになったそうだ。