「ちゃんと手当を受けていれば母親は助かったはず」最後の親孝行になればと遺族が訴訟を起こす決断をしました。

 「憤りを感じますね」

 訴えを起こすのは、西宮市に住む50代の男性です。

 男性はおととし、母親(当時90歳)を亡くしました。

 (訴えを起こす50代男性)「(母親が)デイケアで作ったんですが、コースターを私今でも使っていまして、元気だった頃の母親を思い出しますね」

 訴状によりますと、母親はおととし6月、自宅で夕食を食べていた際、食べ物を喉に詰まらせて病院に運ばれました。

 (50代男性)「息苦しいような感じがしていて、酸素吸入をされていたんですよ。今まで酸素吸入をされたことはなかった。大変なことになったなと思いまして」

 翌日、誤嚥の影響はほぼなくなり、状態もよくなりました。

 ところが3日後から徐々に母親の容体は悪化し始め、20日後に死亡しました。死因は心不全の悪化でした。

 (50代男性)「私も母親が救急車で運ばれたので動揺していて、『先生にお任せします』ということで一任したんですが、一回良くなっていたのにまた悪くなったというのがあって、『なんでこんなことなったのかな』と非常に疑問でしたね」

 納得できなかった男性は病院にカルテの開示を求めました。

 すると、カルテには「心不全の増悪?」の文字がありました。

 ところが、あとでわかったことですが、日本循環器学会などは心不全が強く疑われる場合、状態を詳しく把握するために心エコー検査を行うべきとしていますが、病院は検査していなかったというのです。

 さらに心不全の治療で必要とされる体内にたまった水を抜く処置よりも前に、むしろ母親に水分摂取を促すよう看護師に指示していたということです。

 このため男性ら遺族は病院側に対し、2000万円の損害賠償を求めて近く提訴する方針です。

 (50代男性)「ちゃんと手当てをしていたらもう少し生きていたんじゃないかなと。病院の対応が本当に正しかったかどうかというのが、裁判によって明らかになると思いますし、それによって母親が報われると思いますので、母親への恩返しとして結果を待ちたいなと思っています」

 病院側は、「訴状が届いておらず回答は差し控える」などとしています。