ニセ警察官詐欺 ありえない点は?
高柳キャスター:
VTRに出てきた被害者の男性は20代ということですよね。
塩田記者:
そうです。大阪府警を名乗る男から「あなたに逮捕状が出ている」とまず脅しが来ます。そして、逮捕状をビデオ通話で見せられる。その逮捕状の中に自分の氏名と住所が書いてあったことで信じ込んでしまった。
その後「資金調査をするからあなたの口座の残高を全て送ってくれ」と言われて、約100万円を振り込んでしまったという経緯です。
信じてしまうかなという気持ちもありますが、絶対にあり得ないことが3つあります。

まず1つは、警察はビデオ通話を容疑者とは絶対にしません。電話をかけることはあっても、「署に同行願えますか」といったやり取りです。
そして、画面越しに逮捕状や警察手帳を掲げることも絶対にありません。
また、資金調査という捜査はありますが、これは銀行に照会をかけるものであって、事件関係者に振り込ませることも絶対にありません。
この3つはおかしいのですが、危機感や不安感を煽られて被害に遭ってしまう方が相次いでいるのだと思います。
井上キャスター:
最先端技術が詐欺に悪用されるのは歴史の常ですが、今後オンラインで詐欺が完結することが出てくると思います。そうすると、現実世界の捜査をどうしていくのか。これは日本だけでなく、世界の問題だと思うのですが…

星浩さん:
前は「電話がかかってきても出ないようにする」「お年寄りは気をつけましょう」という単純なものでしたが、今の若い人は明らかにネットの世界なので、そちらの方にどういう対策を講じるか。おそらくまだ、そこは追いついていない状況だと思います。
塩田記者:
きょう発表された特殊詐欺の被害数は急増していましたが、実は検挙された件数と人数、検挙の規模は横ばいでした。被害額は倍増してますし、認知件数は1.3倍ですが、検挙は横ばい。
捜査関係者によると「これまでは被害者から直接お金を受け取る“受け子”や、被害者が送金したお金をATMから出す“出し子”など、現場に犯人がいたが、今はオンライン化している。被害者が高齢であってもインターネットバンキングで送金できてしまうし、送金されたものはすぐに暗号資産に変えられて足が追えなくなってしまう。現場で逮捕できる犯罪関係者がいなくなっていて、捜査の難易度がすごく上がっている」ということです。
急増する被害の中で、とにかく自分の身を守ることがより一層大切になっていくなと取材していて実感しました。
高柳キャスター:
被害額や認知件数が明らかになっていないものもあるということですよね。
塩田記者:
もちろんです。詐欺というのは、証拠がなくて被害届が受理されない事例も少なくないので、泣き寝入りしているケースがこれ以上にある、と考えることもできます。
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<プロフィール>
塩田アダム
TBS報道局警視庁担当
詐欺や組織犯罪を取材
星浩 さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年














