「反対意見」や「補足意見」に宿る裁判官の個性

ただ、裁判官の考えを知る手がかりは存在します。15人の裁判官で構成する大法廷などでは多数決で判決が決まりますが、個々の裁判官は「反対意見」や、結論は同じでも理由を付け加える「補足意見」を述べることができます。これらを読み解くことで、各裁判官の哲学が見えてきます。

最近、九州で注目されている裁判に、法定速度が時速60キロのところ194キロで走行して衝突死亡事故を起こし、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)に問われた事故当時19歳の被告の控訴審判決がありました。福岡高裁は1月22日、危険運転の成立を認めて懲役8年とした1審判決を「常軌を逸した運転だが、進行制御が困難な高速度とは認められない」という理由で破棄して、懲役4年6月を言い渡しました。

遺族が上告したので、今後、最高裁がどのような判断を示すかは、国民が裁判官を評価する大きな材料となるはずです。前回の国民審査では、「×」の割合が34年ぶりに10%を超えましたが、これは旧優生保護法の違憲判決など、国民の関心が高い判決が相次いだ時期と重なっていました。判断材料さえあれば、国民の関心は高まるのです。