日本における「外国人」を巡る実情

日本の外国人を巡る実情について、橋本さんによれば、外国人は大きく3つのカテゴリーに分けられるといいます。

1. 観光客(ツーリスト): 2025年は速報値で4,200万人、2030年には6,000万人を見込む

2. 中長期滞在者: 396万人(約400万人)

3. 労働者: 257万人

外国人労働者がいなければ成立しない産業として、橋本さんは「介護、製造業、ビルクリーニング、建設、造船、ほぼすべての農林水産業、宿泊業、外食産業」を挙げました。

非正規滞在者は減少傾向

排外的な言説の根拠としてよく挙げられる「非正規滞在者の増加」や「治安悪化」について、橋本さんは事実に基づいて説明します。

非正規滞在者数はピークの1993年の約30万人から減少傾向にあり、最新の速報値で約7.1万人。過去2年は減少しています。観光客や中長期滞在者が急増している一方で非正規滞在者が減少していることは「日本の国境管理はちゃんとできている」証拠だと橋本さんは述べました。

外国人による犯罪については、刑法犯の検挙件数・人員数は過去2年若干増加しているものの、外国人数の増加率に比べれば低い水準。刑法犯検挙人員に占める外国人の割合は5.5%に過ぎず、「94%は日本人によるもの」と橋本さんは指摘します。

また「外国人の起訴率は毎年必ず日本人の起訴率よりも高い」とし、「外国人だけが見逃されている」という事実はないと強調しました。

「治安」という言葉で多くの人が懸念しているのは、実際には刑法犯よりも「マナー違反」「うるさい」「ゴミ出しルールが守れない」などの行動様式や文化的な違いに起因するものが多いと橋本さんは分析。こうした「体感治安」の問題は、刑法で対処すべきものではなく、定着支援や言語学習の充実で対応すべきだと指摘しました。