供給力8割に対し 利用は1割未満という壁

一方で、課題も残されています。 今回の稼働により、五島市の電力需要の8割を再エネで賄えるようになりました。しかし、実際に「再エネプラン」を選んで契約している市民は、1割にも届いていません。

五島市は、利用が伸び悩む背景について、既存プランと料金が変わらないため切り替えの動機が生まれにくいことや、「再エネプランの存在」「脱炭素の重要性」が市民に十分浸透していないことが要因だとみています。

「風力発電の電気に色がついていればいいんですけど、コンセントから出る電気には色がありません。再エネを使っているという実感がないので、そこが普及の難しいポイントになっています」(川口氏)

五島市では市役所職員に対し、自宅の電気を再エネプランへ切り替えるよう呼びかけを始めました。強制はできませんが、行政が率先して姿勢を示すことで、市民への浸透を図る狙いです。

安さや利便性だけでなく「どの電気を選ぶか」という意識変革。電気を「作る」側と「売る」側の両方を知る橋本社長は、そこには二つの意義があると語ります。 一つは、地域内でお金を回す経済的なメリット。そしてもう一つは、環境への貢献です。

「地球温暖化などの問題に対して、自分たちも貢献しているんだと意識できるかどうか。使う、使わないは最終的には市民の選択ですが、ぜひ使っていただいて、『これこそ五島モデルだ』と目に見える形で実現できたらいいなと思います」