減税しても「買う値段は安くならない」

消費税減税は、物価高対策として効果はあるのかー

物価の実証研究の第一人者でもある渡辺努さんは、「リーマンショックやコロナ禍で消費税減税を実施したヨーロッパのデータを見ると、何が起こるかが見えてくる」と話す。

『東京大学』名誉教授 渡辺努さん:
「例えば消費税10%を減税したとする。多くの人は『10%減税すれば、その分自分たちが買う値段が安くなる』と想定するが、“そうはならない”というのが驚くべきこと。要は“課税前の価格を上げる”ということが起きたのがヨーロッパの経験。10%減税したとしても、5%分ぐらいしか私達のところには入ってこない。売り手の方に残りの5%がいっちゃうということが起きる」

――税を上げるときには価格転嫁をしようという動きが強まるが、下げるときにも価格を転嫁する。

渡辺さん:
「今は円安などで価格転嫁が不十分なので、企業としては価格を上げたい気持ちは常々ある。なので私は消費税減税を実行したとしても、皆さんが考えるような効果が出てこないのではと懸念している。もっと言うと、今本当に必要なことは物価を下げる事ではない。『給料を上げて欲しい』という声もあったが、まさに賃金が安すぎることが問題。物価高ではなくて賃金安に焦点を当てるべきだ」