ソフトバンクから海外FA権を行使しメッツに移籍した千賀滉大(29)が20日(日本時間)、本拠地のシティ・フィールドで入団会見を行った。
ファンに選んでもらったという背番号「34」のユニフォームに袖を通した千賀は、会見冒頭、英語と日本語を交ぜて挨拶。長年夢見たメジャーリーグに「本当にアメリカに来れるという事になったら、すごい興奮しましたし、本当に今も凄い幸せな気持ちでいっぱいです」と喜びを噛みしめた。

会見では早速現地記者の心もつかんだ。代名詞の“お化けフォーク”について「どのようにしてこの球を投げるようになったか」聞かれると「プラクティス!」と笑顔で一言。バック・ショーウォルター監督の印象については「最初は少し顔が怖いかなと思ったんですけど、話してみたらめちゃくちゃ明るく、凄い出迎えてくれる感じでしたので、いきなりジョークを言ってくれたり、凄い僕も話しやすい印象はあります」と答え、笑わせた。

自主トレを共にするなどしたダルビッシュ有(36、パドレス)から刺激を受けてきたという千賀。「本当に何年も前からダルビッシュさんにアドバイスを貰ったり、意見を貰ったりして、僕の中では良い刺激をもらっていた存在なので、そういう方々から話を聞く度に更にアメリカで野球をやりたくなったなという気持が強くなったところかなと思います」。メジャーへの思いを募らせた。

SNSをフォローするなどメッツファンだったと明かし「ナイターの試合前に朝追っかけて見ていた選手のうちの2人」だというメッツのベテラン投手陣、マックス・シャーザー(38)とジャスティン・バーランダー(39、アストロズから移籍)の存在にも心躍らせる。

「本当にその2人の名前については凄いレジェンドで、日本で野球をやっている僕らでももちろん知っています。本当に僕は色んな話を聞きながら学ぶ気持ちでここに来ましたし、そういう人達のようにアメリカで成功出来るように一生懸命頑張る気持ちでここにいます」と向上心は尽きない。

愛知・蒲郡高から育成ドラフト4位でソフトバンクに入団し、支配下を勝ち取った苦労人の千賀。育成からメジャーリーガーへと駆け上がってきた。「とにかくここで野球をやる為に長い間日本で野球をしていたのですけど、とにかくここでやるって事に幸せを感じている人間なので、野球を楽しくファンの方に『あいつ野球を楽しんでいるな』と思ってもらえるような選手で、そして成績も出して歓迎されるような選手になりたいと思います」。夢見た世界での活躍へ意気込んだ。

■千賀滉大(せんが こうだい)
1993年1月30日生まれ、186㎝ 92㎏ 右投左打
愛知県蒲郡市出身。小学2年生から野球を始め、中学時代まで軟式でプレー。高校1年途中までは内野手だった。蒲郡高から2010年の育成ドラフト4位で、ソフトバンクに入団。2012年に支配下選手に昇格。2016年に25試合に登板し12勝の好成績をあげ、以降も6年連続となる2ケタ勝利をあげている。最速161キロの直球と、“おばけフォーク”と呼ばれるフォークボールで三振を奪うスタイルの本格派右腕。2019年には奪三振率11.33と、規定投球回到達選手の中で歴代最高を記録した。主なタイトルは、最多勝利1回、最優秀防御率1回、最多奪三振2回、最高勝率1回など、いずれも育成出身選手としては史上初。2017年のWBC、2021年東京五輪にそれぞれ選出された。