西武のエース・髙橋光成(25)が早ければ来シーズンオフにもポスティングシステムを利用し、メジャーに挑戦する意向であることが19日までに分かった。すでに球団には意志を伝えており、協議を続けている。
前橋育英から2014年にドラフト1位で西武に入団した髙橋は昨シーズン、自身初の開幕投手を務めると、そこから2年連続で二桁勝利を達成。今やチームに欠かせないエースとして投手陣の先頭を走ってきた。
追い求めた舞台が近づいている。“興味”から“目標”へと変わったのは今から3年前、公私共に慕っている現ブルージェイズの菊池雄星(31)がメジャーのマリナーズへ移籍したときだった。それまではただの憧れ程度だったが、背中を見続けてきた先輩の活躍を目の当たりにし「雄星さんに出会って、メジャーリーガーを近くで見て気持ちが強くなった」と海の向こう側へ想いが傾いた。それからオフになると毎年のように渡米し、菊池の元で自主トレをするなど、日本とは異なる文化を学んだ。さらに今年11月には現地でワールドシリーズを観戦し、本場の空気を肌で味わったことでより一層思いを高ぶらせたという。
アメリカへの意識は野球以外にも。先発の柱としてシーズンフル稼働の中、近い将来に備え、オンラインで週3~4回の英語のトレーニングを重ねている。普段から積極的に外国人選手ともコミュニケーションをとり「まだ完璧ではないですけど、海外の人は自分で考えて淡々とやるべきことをやるという印象があるので、そういった部分を学びたい」と自己研鑽に励んだ。
今やトレードマークとなった“金髪ロングヘア”もアメリカ思考からなるもので「憧れというか、ドジャースのシンダーガード(30)を目指していて、彼の愛称が“ソー”(マイティ・ソー)なので、僕もソーのように髪を伸ばしています」とアメリカのスーパーヒーローをイメージし、人生で初めてのブリーチも行った。
今オフにメジャー移籍を叶えた、レッドソックスの吉田正尚(29)とメッツの千賀滉大(29)の存在も少なからず刺激となっている。100億をも超える契約に「あの2人なら妥当な数字だと思う。自分もそういった契約をつかみたいし、そのためにも自分の価値を高める」と意気込む。2年連続でキャリアハイを更新する二桁勝利をあげ、自信をつけた獅子のエースが、夢への扉を開こうとしている。
■髙橋光成(たかはし・こうな)
1997年2月3日生まれ 群馬県出身。前橋育英高校では1年時からベンチ入りし、2年時の夏の甲子園ではエースとして同校を初出場での初優勝に導いた。14年ドラフト1位で西武入団。2015年8月2日に初登板を飾ると、8月9日に球団では松坂大輔より早い18歳6か月でプロ初勝利をあげた。2019年に初めて二桁勝利を達成すると、昨シーズンは11勝、今シーズンは12勝と2年連続でキャリアハイを更新した。