阪神・淡路大震災からあす17日で31年。震災後に生まれた学生たちが、追悼の想いと教訓をつなぐ活動を始めています。

 慣れない手つきで竹を切り出しているのは、大阪に住む大学院生の濱崎真乃さん。震災から7年後、復興のさなかに生まれた23歳です。

 (濱崎真乃さん)「阪神・淡路大震災を経験していない学生としてできることは何かなっていうのを考えていければ」

 大学で「防災」について学んできた濱崎さんは去年、能登半島地震のボランティア活動に参加していました。そこで目の当たりにしたのは「もう誰も来てくれない」という被災者たちの嘆き。教訓が次の世代へと引き継がれることなく忘れ去られていく現実に危機感を抱いた濱崎さん。新たな活動の扉を叩きました。

 「1・17リーダーズ」。濱崎さんと同じ、震災を知らない世代の学生たちで結成された組織です。記憶を未来へつなぐために、自分たちにできることは何かを話し合います。

 「リーダーズ」の姿は、東遊園地の「慰霊と復興のモニュメント」にありました。「1.17のつどい」を前に清掃活動です。

 (震災で息子を亡くす 松浦美佐子さん)「みんな高齢化になって(ボランティアに)毎回来られないので、できるだけ若い人たちにご協力いただいて助けていただきたいと思います」

 震災を経験した世代から教えてもらいながら、自分たちにできることを。その役割を少しずつ担おうとしています。

 (濱崎真乃さん)「何も知らなかったとしても、若い力が何か役に立てればいいな」

 そんな「1・17リーダーズ」の学生たちは、「つどい」の存続に関わるある課題に着手します。1・17を象徴する「竹灯籠」の減少です。

 ボランティア団体の高齢化や担い手不足、震災30年を機に提供をやめる団体が増え、竹灯籠が去年より500本少ない2000本にとどまる見込みだったのです。

 「追悼の灯りを絶やしてはいけない」。新たな試みとして、「竹の切り出し」を学生たちの手で行うことにしました。

 (濱崎真乃さん)「ただ単に『1.17のつどい』に行って震災経験者のお話を聞くってだけでも大事なことだと思うんですけど、実際に竹を切って運営していくところまで考えられるのはすごくいい機会だなと思っています」

 そして、14日に運び出されたのは大量の竹灯籠。リーダーズの学生らが切り出した数は約1000本にのぼり、今年の竹灯籠は去年を上回る3000本となりました。自分たちで準備した竹灯籠に、祈りの文字を書き入れます。

 (濱崎真乃さん)「この『1.17のつどい』が今までつながってきていて、そのつどいがどんな風に開催されているのかを知れたことが、すごく有益なものだったなと思っているので、これからも続けていければいいなと思っています」

 大切に守られてきた「あの日を悼む灯り」。31年分の想いは、世代を越えて分かち合う新たな「希望の灯り」となっていきます。