■広がる”脱レアアース”の動き
ハイテク製品の命綱でありながら、特定国への依存から抜け出せないジレンマに、今、日本の技術者たちが「物理法則」と「知恵」で風穴を開けようとしています。
東京都に拠点を置く自動車システムメーカー「Astemo」は去年10月、電気自動車業界に一石を投じる発表を行いました。
それは、レアアースを一切使用しない新型モーターの開発です。
これまで、EVの心臓部であるモーターの回転子には、ネオジムなどのレアアースを用いた強力な永久磁石を埋め込むのが常識とされてきました。
しかし、開発チームが選んだのは「強力なネオジム磁石に頼らない」という逆転の発想でした。
勝負をかけたのは、モーター内部の「鉄心」の形状です。磁石の力で回すのではなく、鉄の配置を極限まで計算し尽くし、磁気の通りやすさだけで回転力を生み出す。
いわば、素材の力ではなく「幾何学の勝利」とも言えるメカニズムを確立したのです。














