「心臓のモニター音」を聞きながら実久さんの状態を確認
懸命な処置が行われていて、状態を詳しく知ることができない中、隆志さんたちは、実久さんの心臓のモニターの音や、使用されている医療器具で確認する状況だったと振り返ります。
(秋山隆志さん)
「治療中、妻が少しでも実久の心臓のモニター音を聞こうと、廊下で泣きながら座っていました。『今どのような状態なのか』『どのような処置をしているのか』、看護師が持ってくる点滴や医療器具を見て、判断しようとしていました」
「病院の婦長さんが『待合室で座ってましょう』と何度も声をかけてくれますが、妻は『実久のそばを離れたくない。実久の近くのここにいる』と泣きながら言っていました」
「搬送されてから6時間後の21時半頃に、ようやく実久に会うことができました」
両親の呼びかけに対して、実久さんは僅かな反応をみせたといいます。
(秋山隆志さん)
「救急センターの観察室に移動する時、私たちは実久の手を取り、『実久、実久』と名前を呼びました。すると実久は最後の気力で、瞬きを2回し涙を流しました」
「その後も私たちは、何度も何度も実久の名前を呼び続けました。しかしその瞬きが実久からの最後のメッセージとなりました」
「通常はICUに入院するはずですが、あまりにも状態が悪いので、24時間看護師が付きっ切りで見てくださる、救急センターの観察室に入院しました」
「その時、救急センターの婦長さんが『私たちが責任を持って看護しますので、いつまでも、いつまでもここの観察室を使ってください』と言ってくださいました」
「病室の外側では、看護師1人が交代で24時間、実久の様子を見ていました。私たちも、ほとんど寝ることをせず実久の看病をしました」
そして、医師から実久さんの状態について告げられます。
【画像⑧】実久さんが事故に遭った時履いていた靴
【第3話】へ続く
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講演会は、香川県警が「命の大切さを学ぶ教室」として、1月9日に香川県立多度津高校で開催。多度津高校の卒業生でもある秋山さんは、事故の経験を通じ、後輩の生徒150人に交通安全の大切さなどを訴えました。
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