実は「これちょっと終わったかな」と思っていた初の箱根路

そして、初めてのインタビュー。箱根2区の走りを振り返ってもらった。

(黒田選手)
「どれだけ振り絞って前と差を詰めて3区に渡せるかを考えて走りました」
(記者)
「走り終わった後の記録を見てどう思いましたか」
(黒田選手)【画像⑦】
「もうびっくりしましたね本当に。え、区間賞だったの?みたいな。前半余裕を持って入って、後半上げるというレースプランを立ててはいたんですけど、前半はむしろ全然ペースが上がっていなくて『これちょっと終わったかな』っていうくらいの気持ちだったので(笑)本当に終わって記録を聞いた時には驚きでしたね」

【画像⑦】「区間賞だったの!?」と笑顔

レース中にはちょっとした動揺もあったというし、そもそも区間賞やタイムの目標は立てていなかったという。今の黒田選手の姿からは考えもつかない。ただ、後半の走りには手ごたえを感じたという。

(黒田選手)
「権太坂に入って動きが良くなったのかな?というのがあって…もしかしたら『これは結構いけているのかな』ともちょっと思いつつ。最後の戸塚の壁は本当にキツくて全然覚えていないですね(笑)」

黒田選手のレースについての記憶がやや曖昧に聞こえるのは、独特すぎるスタイルにある。今でこそ陸上ファンの間では知られた事実だが、当時は大きなインパクトがあった。