「絶対に立件する」ホワイトボードに書いた決意
事故では運転手も死亡していたため、直接事情を聞くことができない状況だった。
軽井沢署の交通課長だった塩入さんは「未だにもどかしくて、苛立ちを感じています」と心情を吐露した。
長野県警は事故の捜査本部を立ち上げた。死亡した運転手だけでなく、運行会社の責任を追及する捜査は険しい道のりとなることが想定された。
運転手の技量の不十分さが事故の原因と直結するとしても、会社の責任をどう問うのか。
一方で、捜査の中で、会社が運転手の技量の把握など、輸送の安全確保のための運行管理業務はほとんど行われていなかった状況も次第に分かってきた。
松島さんは、自分の頭に入れてきたことを整理し、捜査の進め方の設計図のようなものを、捜査本部のホワイトボードに書いた。そして、翌朝の捜査会議で捜査員に説明したという。事故発生から約1か月後のことだった。

松島さん:
「あの現場を直接見て、そして、その運行管理の実態が徐々に明らかになっていく。さらに、被害者であったり、ご遺族であったりの方たちが大変な状況になっているというのを自分の目で見て、耳で聞いて。だからこそ、絶対に立件するんだっていう気持ちで続けていた」














