フロントガラスから中に入り…氷点下の救助現場

軽井沢町は当夜、氷点下3度ほどまで冷え込んでいた。

現場に到着すると、大型バスが約5メートル下の崖下に、右側を下にして横転していた。「乗客がいるのか。いないで欲しいと思いながら急いで崖下におりました」と塩入さん。

しかし、その願いとは裏腹に多数の乗客がいることがすぐに判明した。

「車内から乗客を救出するには、大きく割れたフロントガラスから入って、お1人ずつ出す方法しかありませんでした」と塩入さんは説明する。

消防との救出活動は慎重かつ懸命に繰り返された。斜面のバスがさらに落ちてきた場合に備え、二次被害を防ぐため、民間のレッカー業者にも協力を求めた。