木戸の開け閉めの音めぐる対立 現場に赴いた
(山地所長)
「はい。色々あるんですけれども一つ挙げるとすると、あの裁判官任官して、2年目の頃に経験した、隣同士の、隣人間の本人訴訟が印象深く残っています。これはですね、高齢者同士の、お隣同士が、玄関の門の木戸の開け閉めの音がうるさいということで訴えられた事件でした。木戸の形状とか、あるいは音の具体的な数値、客観的な数値などは証拠としては揃っておりまして、で、かなり感情的な対立も激しかったので、和解は難しいだろうと、判決になるだろうという風に私自身は思っていたのですが、裁判長からのアドバイスもあり、一応念のために現地で実際見てみようということになりまして、私が現地を見に行くことになりました。実際に現地で、門の開閉をしながら、双方、ご本人とお話をしていっていたわけですけれども、その中で、ちょっとしたタイミングで、話し合いの可能性があるんだという、話し合いの機運が出てきたということがありました。その後、紆余曲折あったんですけれども、最終的には和解が成立したという事件がありました」

「この事件を通してですね、私が感じたことなのですけれども、なんていうか感情の対立が激しくて本人訴訟だということで、最初は和解による解決は難しいだろうと思っていたのですが、やはりそういった思い込みをできるだけ排除して、背景事情も含めて、当事者のお話に耳を傾ける、聞かせていただくと、そういった姿勢が裁判官の仕事をしていく上でも、非常に大切なんだなんだなということを、この事件を通じて感じた次第です」
(幹事社記者)
「刑事裁判のIT化が今後進んでいるというところで、それに対する所長の所感とそれから県内関西における対応について教えていただければと思います」














