誰しも狭い塀の上を歩いている 人って何だろうなと

(伊藤検事正)
「先ほどちょっと触れたのですけど、正直者が馬鹿を見るとか、正しく生きたいが正しく生きられないっていう、そういう理不尽な社会を正すことができればいいなというふうに思って。「人間」に一番接していられるというか。刑事事件を起こす、あるいは被害者になるっていうのは、人生の中の非常に岐路に立つ、そういうのがあって、生の人間が出る場面だと思っています。そういう方の人間の部分に触れて、人っていうものを知っていきたい、昔思っていたことですかね。

(記者)
「生身の人間の部分に触れて、どうしていきたいとおっしゃいましたでしょうか」

(伊藤検事正)
「生身の人間に触れて、「人」って何だろうなっていう。人間って誰しも狭い塀の上を歩いていると思うのですよね、それはふとしたきっかけで、塀から落ちたり。その落ちる原因ってのは何だろうとか、人ってなんでしょうねっていうところを知りたくていきたいと思っていた」

(記者)
「検事の役割・求められるものとは」

(伊藤検事正)
「検察官として、一個一個の事件について、事実・真相に基づいて処罰すべきものはすぐ処罰すべきだし、被害者がいるなら救っていきたいというのが検察官の役割。最終的に社会がよくなっていけばと、どの検察官も思っていると思う

(記者)
「どういう姿勢で捜査・公判にあたった?」