日本最古の蒸留酒とされている沖縄の地酒・泡盛。交易によって伝わり、琉球王国そして沖縄で技術を磨いて育てられてきました。その泡盛が今、ハワイの小さな酒蔵で県系人によって作られています。そのハワイ製の泡盛は『AROHAAWAMORI(アロハ泡盛)』として少しずつ知名度を上げはじめています。
アロハ泡盛の製造者ランディ・クバさん
「アロハ泡盛は沖縄とハワイのコラボレーションで泰石酒造と今帰仁酒造が沖縄で泡盛を配合して、ホノルルの送ってもらい、ホノルルで私たちが香りをつけてハワイ味の酒にしている」
このアロハ泡盛をハワイで製造している、県系人のランディ・クバさん。祖父母が沖縄移民としてハワイに渡ったといい、那覇市首里にルーツを持っています。以前沖縄を訪れた際に、その文化に触れ、自らに流れる沖縄とハワイのアイデンティティをより強く感じたといいます。
その中でも特に感銘を受けたのが泡盛でした。泡盛特有の味わいと香りを生かしながらハワイと沖縄の文化が感じられる商品を作りたいと思い製造に取り組みました。

アロハ泡盛の製造者ランディ・クバさん
「沖縄の黒糖もフレーバーにしたり、サトウキビやしょうが、沖縄のコーレグースに似たハワイのチリペッパー、ハワイのレモンフレーバーもあります」
アロハ泡盛は、まだ生産量は年間1万2000本と少なく、これまで全米本土とカナダにしか流通していませんでしたが、おととしから日本への輸出が始まりました。
アロハ泡盛ジャパン 尾関さん
「商品の味はもちろん、特徴があるが、ハワイと沖縄がミックスしているという所を特に感じてほしいので」
日本の代理店、アロハ泡盛ジャパンの尾関さんはSNSでの発信や飲食店に売り込みを行い、特にランディさんがこだわっている、沖縄での流通拡大に向けて、販促活動を進めています。
アロハ泡盛はどんな酒なのか、取り扱い始めた飲食店に話を聞いてみるとー

NOMIYA 糸満武志さん
「コナコーヒーフレーバーもすごいがシナモンの雰囲気もあるので例えば辛口のジンジャーエールを混ぜてみるとか、沖縄の一般的な泡盛と1対1で混ぜてみるとか」
従来の泡盛は独特の味や香りの強さから水割りが一般的となっていますが、アロハ泡盛の場合、口当たりのよさなどからカクテル向きだといいます。ハワイアンの風味や味わいを活かせる汎用性の高さが魅力だといい、珍しさや引き付けるネーミングなどからも注文が増えているといいます。
日本や沖縄への流通が少しずつ動き始めた中、ランディさんはアロハ泡盛を通してハワイを感じてもらい、沖縄とハワイの交流の歴史も知ってほしいと話します。

アロハ泡盛の製造者ランディ・クバさん
「日本人観光客がハワイに来れなくなったので、アロハ泡盛を通じて、味やハワイの風を感じられるものを日本へ送りたいです。人々がその繋がりや物語を知ってほしいと願ってます」
1人の県系人が2つの故郷の味や思いを詰めたアロハ泡盛。沖縄の伝統文化に陽気なアロハの風を吹かせます。