■ひとつになれるのか? 共闘模索の野党と知名度不足を気にする与党
【森裕子氏】
「権力との壮絶な戦いであります」

議席死守が至上命題の現職、立憲民主党公認・森裕子さん。
その知名度は抜群でした。
前回2016年の参院選で、全ての野党が初めて手を組んだ『野党共闘』で勝利した森さん。
あの盛り上がりをもう1度との意気込みで選挙に臨みたいところでしたが、今回の課題は「1つになれるかどうか」でした。
立憲民主党県連は、野党各党と市民団体の『野党連絡調整会議』を設けますが、それとは別にもう一つ、連合新潟との間に『合同選対』を組織。共産党との距離感による結集の難しさを露呈します。

【森裕子氏】
「政党はみんな自分の党勢拡大が使命です。ましてや選挙だから。それでも、そういうものを脇に置いて結集していただく。そんな簡単なことではないです」
5月の知事選には自主投票で臨んだ立憲民主党。
【立憲民主党新潟県連 菊田真紀子代表(当時)】
「知事選の最中には我々は結局ほとんど活動が制限されているわけですから、それが終わってから態勢を作っていかなきゃいけない」

行動を共にしなかった連合新潟との応援体制を改めて築くための時間が、およそ2カ月弱で足りるのか否か…。
【新潟県立大学 田口一博准教授】
「彼らの言葉でいう『草の根』を支えている党員に浸透するかどうか。党員だけじゃなくて、そこから声をかけてもらって票が集まる。それには時間がかかります」

一方の小林一大さん。秋葉区選出県議ですが知名度が課題と言われていました。
自民党公認候補となり、自民党・公明党を中心とした支援態勢を継続。
本人も選挙戦の1年前から新潟県内を駆け巡り、課題だった知名度を上げるべく奔走してきました。
【小林一大氏】
「強い経済と豊かさを実感できる、そうした新しい資本主義を私たちは目指していきます」
直前の知事選で勝利した花角さんも応援に入り、
【花角知事】
「この小林候補が必要なんですよ」
自民党本部も、新潟を『最重点区』に位置付けていました。

【小泉進次郎元環境大臣】
「小林一大さんを皆さん押し上げてください」
【橋本聖子参議院議員】
「若きエース小林さんを国政に送っていただきたいと思います」
岸田総理自身も、期間中に2度応援に入りました。
最終日のマイク納めの地に新潟を選ぶほどの、異例の熱の入れようです。

【岸田総理】
「この参議院選挙、意義あるものにしなければなりません」
選挙期間中に安倍元総理が凶弾に倒れ、選挙支援のあり方なども強く問われた今年の参議院選挙。
結果は小林さんの勝利でした。
【小林一大参議院議員】
「この新潟県を素晴らしい故郷にして、そしてこの日本を素晴らしい国にしていく」
参院選2連敗が続いていた自民党にとって、のどから手が出るほど欲しかった新潟での議席奪還でした。