源田壮亮の覚悟と村上宗隆の決断
栗山: 源田選手が指を骨折して“全治3か月”と聞いた時、僕は「どうすれば試合に出せるだろう」と考えた。「ショートは源田」と決めていたので。
ただ、選手は壊したくないので、本人に聞いたら「全く問題ない」と答えた。
「これは絶対、本音を言わないな」と思ったので、「これは世界で勝つために、プレーレベルをどこまで保てるか聞いている」と改めて尋ねたら、彼は「今回は僕が試合に出て、日本を勝たせたいと思って来た。出させてください」と号泣した。
「自分が試合に出て日本を勝たせるんだ」という彼の強い魂もチームを1つにした。

また準決勝のメキシコ戦。
4対5と1点リードされて迎えた9回裏。
先頭の3番・大谷が2ベースで出塁し、4番・吉田は四球。
一打サヨナラの場面で打席には、不振に苦しむ主砲・村上宗隆。
栗山:代打を出してバントをさせることも頭をよぎった。
でも最後に「どうやって負けたらファンが納得するか?選手が納得するか?」を考えた時「バントミスで負けると、こんなバカなことはない。村上に託して負けるなら、それが一番いい」と思った。
自分で決めた責任を自分で取る。それが結果につながった。
結果責任をすべて自分が背負い、選手に迷いを残させない。
その「負ける覚悟」こそが、奇跡の逆転劇を呼び込んだ。














