「大金があるのに席に置いてトイレに…」
男性の説明によると、この日の午前、男性のもとに息子を名乗る人物から電話があり、「重要書類が入ったカバンを席に置いたままトイレに行ったら、そのすきにカバンが盗まれた。会社の人に補填費用として、100万円を磐田のコメダで渡してほしい」と言われたといいます。
「話を聞いていくうちに、男性が『100万円を下ろして持って来ている』というので、その時点で『ん?』と思いました」
佐野さんが特に違和感を覚えたのは、話のつじつまが合わないことでした。
「そもそも、(男性の息子が)そんな大金があるのに席に置いてトイレに行くのもおかしいと思った」
そこで佐野さんは、思い切って男性に「多分それ、詐欺じゃないか」と切り出しました。よくよく話を聞くと、男性自身も「詐欺かな」と薄々感じていたようで、このやりとりの前後、男性は息子にも連絡。息子も「何か、事件に巻き込まれているのでは」と察知し、警察に通報したといいます。

佐野さんは、男性に磐田市にあるコメダ珈琲の連絡先を伝えたうえで、警察への相談を勧めました。男性は直後、近くの交番を尋ねたところ、通報を受けた警察官が駆け付けていて、男性が騙されそうになっていたことがわかりました。
結果的に、佐野さんの機転、家族の迅速な対応、さらに警察の連携で、男性は詐欺被害を免れたのです。














