全国で数十万人が狂騒、ついに死傷者が出る惨事に

熱狂は東京だけではありませんでした。熱狂は全国規模に広がり、最終的に売り場の群衆は、東京(後楽園)で約3万人、福岡(平和台)と大阪(扇町公園)で約4万人と各地の売り場には想像を絶する群衆が押し寄せました。

宝くじを買い求める人たちで埋め尽くされた道路(東京・後楽園)。

あまりの人の多さに、各地の販売所では予定を前倒しして販売を開始しましたが、これが裏目に出ます。割り込みを巡る怒号が飛び交い、押し合いへし合いのパニックに。収集がつかなくなった現場には機動隊が出動するほどの大混乱に発展しました。

出動した警察官(左)と機動隊(右)

そしてこの混乱の中で最悪の事態が…。
約7500人が並んだ長野。最低気温マイナス3.2℃で4時間も並んだ77歳の男性が、買ったばかりの宝くじを握りしめながら脳溢血で急逝。福岡でも42歳の男性が心臓麻痺で亡くなりました。

さらに転倒や骨折など夢を買いに来たはずの場所で死者2人、負傷者30人以上を出す大惨事となったのです。

毎日新聞1976年12月21日夕刊。