容疑者は親子、「反ユダヤ主義」のテロ行為か

事件の一報を受け、筆者は昼間とは打って変わり海からの強い風が吹き付ける現場に向かった。銃撃のあった付近一帯は規制線が張りめぐらされ、夥しい数の警察官や緊急車両、当局の爆発物処理部隊などが集結していた。

事件当日、規制線が張られた現場で取材する筆者

一夜が明け地元警察が記者会見を行い、容疑者は50歳の父と24歳の息子の親子だったと発表された。父親は現場で警察により射殺されたが、息子は重傷を負い病院に搬送されたことが分かり、容疑者が現場に乗りつけたと見られる車内からは、過激組織イスラム国(IS)の旗が2つ見つかった。

現地メディアは、この親子は事件前にフィリピンに渡航していて、南部ミンダナオ島のIS系組織と接触、戦闘訓練を受けていた可能性があると報じている。

また、22日公開された警察の捜査資料によれば、容疑者の親子は事件の2日前に現場の公園を下見していて、車に積んであったパイプ爆弾と見られる爆発物を発砲前に群衆に向かって投げ込んだが、爆発しなかったという。

捜査当局は、今回の事件は、ユダヤ系住民を狙ったテロで、容疑者親子がイスラム過激思想に影響を受けた可能性があるとして調べている。