石川県穴水町下唐川地区で2年ぶりに行われた「からこ磐持大会」。子どもから大人までが米俵を担ぎ上げる力自慢の伝統行事が、2025年10月に復活を遂げました。
「例年より大人の参加者が多く、お客さんも満足して『わー』とか声が出ていたので、すごく良かったと思います」と語るのは、下唐川地区の区長を務める加代等(かだい・ひとし)さんです。
震災が残した爪痕
石川県穴水町の山あいに位置する下唐川地区は、人口およそ70人が暮らす自然豊かな地域でした。「南向きに並んでいて、前には田んぼが開けていて、その田んぼの向こうには少し大きな川もあって、自分たちは子供の頃そこで泳いだり魚捕まえたり、本当に綺麗なとてもいい村だと自分は思っています」と加代さんは故郷を語ります。
2024年元日の能登半島地震は、下唐川地区にも大きな爪痕を残しました。地震前は空き家も含めて約40軒ありましたが、30軒あまりが「全壊」か「大規模半壊」と判定されました。

地震発生直後、地区の多くの人たちは集会所に避難しました。
「自分らは2日目だったので、集会場にはすでに60数名いたと思う。息子や娘、孫それにいとこと子供あわせて12人がちょうどあの角っこにいた。座ったまま寝る、横になる、みたいな感じ」と加代さんは当時を振り返ります。
一方、副区長の田畑勝彦さんは「半年以上、自宅敷地内の事務所兼倉庫で寝泊まりしていた」と言います。田畑さんの自宅も地震で大きな被害を受け「大規模半壊」と判定されました。「やっぱり村のことを見とったらなんとかせないかんと思い、地元に残った。なんとか村のために仕事をしていかなダメやなって思った」














