命を大切に思いやりを持って

「思いやりがあったらあんな悲惨なことは起きない」八島さんは少し荒い言葉で加害者について話しました。

八島定敏さん:
「私の娘を刺した野郎には妹がいて、お嫁さんに行ってたんですけど、どうもそれがうまくいかなくなったという話を聞きましたし、ご両親も全然罪はないんだけれども仕事が駄目になったとか周りから非難されて引っ越しせざるを得なくなったとか」

罪を犯したものは捕まって罰を受けるだけでなく、身近な大切な人の人生も破壊するということを、生徒に伝えたかったのです。

八島さんは最後に、高校生たちへ力強くメッセージを送りました。

八島定敏さん:
「命というものは個性だと。その個性は残念ながら時間が決まってる。どう生きるかによっても若干の違いはあるけれど、無限ではない。だから皆さんはね、本当に今、いちばんいい時間を過ごしてるんだ、過ごすべきだという風に思います」

「皆さん唯一無二の個性を持っています。その個性を大事にして仲良く暮らしていっていただきたいなという風に思います」

講演の最後、八島さんは和佳子さんの写真を見せながら、静かにこう語りかけました。

生前に撮られた最後の1枚

八島定敏さん:
「これがうちに残ってる一番最後の写真なんだけどもね、こういう人もいたというのを覚えておいてもらえたら嬉しいなと思います」

【前編】「はっきり言うと、長女は殺されました」八島さんが語る事件当日、和佳子さんの名前に込めた思い