八島さんがたどり着いた命の意味
娘を失った経験を通じて、八島さんの心には1つの考えが芽生えました。
「命って個性だ」
和佳子さんが亡くなったあと、次女が「私がお姉ちゃんの代わりもやるから」と八島さんに話したことがありました。しかし、代わりが務まらないと八島さんは直感したのです。血のつながった姉妹でも、個性は違っていたからです。
人の命と個性は等しくかけがえのないものだと、このとき理解したといいます。そしてその個性は、決して優劣のつけられないものだと、八島さんは言葉を強めました。
八島定敏さん:
「うちの娘が亡くなって新聞に載った時、みんな泣いた。友達も近所の人も、『何で和佳ちゃん死んじゃったの』って」
地元紙に掲載された和佳子さんの事件に関する記事。その大きさは、八島さんが小学6年生の時に見た、当時のアメリカ大統領、ジョン・F・ケネディの死を伝えるものとは大きく違っていました。
八島定敏さん:
「あんなに大きく取り上げられたアメリカの大統領、ケネディの死なんだけれども、私の近くの人にとっては、私の娘が亡くなった時の方が大きなショックだった。そう考えると命というのは比較できないし、みんな同じ、大きな重さを持って、みんな生きてるんだということを是非理解してほしい」














