なぜ、いまだに差別偏見が?

(德田靖之弁護士)
「今の差別偏見は何が原因で起こっているんでしょう?まだ『ハンセン病は恐ろしい伝染病だ』と思っているから、起こっていると思いますか?

国はそう思っているから『ハンセン病は恐ろしい伝染病ではありません。正しい知識を増やしましょう』という啓発策しかやっていないんです。そんなことでこの離婚の件なんて起こっていませんよ。

要するに、家族に、親族にハンセン病だったという人がいると、社会からいじめられてしまう。『自分がそういう集団には絶対入ってはいけない』その拒否感、嫌悪感といったものが残り続けているんですね」

「そういう『いじめを受けるような集団』には絶対自分たちは入らない、入ったら大変なことになるという、そういう考え方が残っているわけですね。

なのに『もうこれでハンセン病が解決しますかね』などと言われると、『何を考えている?』と言わざるを得ないわけで、こういう機会を与えていただいて私が繰り返しお話しているのは、『今も被害は続いています。今も差別偏見は形を変えて、本当にこの日本社会に深く根付いています』

そういうことを1人でも多くの人に知ってほしいということなんですね」

米澤秀敏記者 「詩人 永瀬清子とハンセン病文学の読書室」で2025年9月に開かれた講演会

(米澤秀敏記者)
「非常に強い思いが伝わってきた、德田弁護士の声だったと思います。今も差別と偏見は続いているんだ、ハンセン病の問題というのは決して終わっていないんだ、ということをぜひ知っていただきたいと思っています」

ハンセン病家族訴訟は、今年(2026年)、提訴から10年を迎えます。