ハンセン病問題はまだ終わっていない

(米澤秀敏記者)
「『ハンセン病問題は終わった』という人がいます。そうではないんです。
2019年、RSKラジオがハンセン病シンポジウムを開きました。家族訴訟の判決を受けたものです。

音声しか残っていないんですが、パネリストとして出席いただいた弁護団の德田靖之弁護士の発言が、非常に私の心に残っていますので、ぜひお聞きいただきたいです」

左:德田靖之弁護士(2019年)

(德田靖之弁護士 2019年RSKのシンポジウムの音声より)
「怖いのは『ハンセン病問題はもう終わった』『もう終わった』って何度も言われるんです。大抵マスコミ系の人なんですけれど。なんで終わったって言うかっていうと、もう、ハンセン病問題って何なのかっていうことを忘れておられるからですね。終わるわけないじゃないですか。被害は今もなお続いているんですね。

 その被害の最たるもののひとつが、パネリストの黄さんが言われた、黄さんたち家族と、ハンセン病の元患者であった人たちとの絆の回復ですよ。これなんか全然手がついていませんよ。

お父さんのせいで自分が苦労したと思って、お父さんを憎んだり。『お父さんを許して』『お母さんを許して』っていう気持ちの解決は絶対全然できていません。

 全国に(ハンセン病元患者の)家族だった人はたくさんいらっしゃいますけど、原告になった人は500数十人しかいません。その中で自分が名乗れている人は黄さんをはじめとする、ごく少数です。

そんな状況は少しも変わっていません。だけど判決が出て確定して、補償交渉が終わったら『もう終わったんじゃないか』?じゃあ、差別偏見ってなくなったんですか?」