「誤った認識を正す啓発と教育に、国の総力を上げて取り組んで」

7月24日、首相官邸。

(RSK山陽放送 後藤克弥記者)
「ただ一言、国に謝ってほしい。そんな思いで戦ってこられました。安倍総理と面会するため、官邸へと入っていきます」

待ちに待った安倍総理との面会。原告団は直接、差別の解消を訴えました。

(林 力 原告団長)
「社会のハンセン病に対する誤った認識を正す啓発と教育に、当事者である私たちの声を生かしながら、国の総力を上げて取り組んでいただきますよう」

人権侵害を訴えて3年。ようやく届いた思いです。

(弁護団 德田靖之 弁護士)
「国を代表して、自分たちが政策を誤った、その結果として迷惑をかけたことを心からお詫びしますということを言われましたので、ハンセン病に対する差別偏見を克服していくのに大きな大きな一歩になるのでは」

(原告 原田信子さん)
「総理にもお願いしたので。偏見差別がなく私たちが自由にね、生きていかれるような国をね、国の全体でつくってほしい」

その後も原告は、判決で訴えが認められなかった家族を含めた一律の保障と差別解消の措置を求め続けました。11月、元患者の家族へ最大180万円を補償する法律が成立。当初求めた額には遠く及ばなくとも、ようやく家族への補償が実現することになりました。

ハンセン病問題の全面解決へ…光が射した1年でした。

(原告 原田信子さん)
「世の中にたくさんあるでしょう、偏見差別がね。ハンセン病の差別がなくなったら、それも差別がなくなるんじゃないかと思う。信じています」

人生被害の補償を求め続けてきた家族の訴え。社会に根付くあらゆる差別・偏見について改めて考えさせられる1年でした。

【2019年の放送より】

(米澤秀敏記者)
「差別を助長したとされた国は差別の根絶まで活動を続けていく責任があります。補償をして終わりとならないか、今後もしっかり見ていかなければならないわけですが…。

ただ、差別をしてきた当事者は私たちと同じ市民だということ。市民には責任が無かったのか、ということも同時に問い直された1年でもありました」