札幌市清田区に住む60代の女性が、警察官を名乗る男らから、暗号資産約8000万円分をだまし取られる詐欺事件が発生しました。
11月上旬、札幌市清田区に住む60代の女性の元に、大手通信会社の係員を名乗る男から「SNSでの犯罪が増え、警察庁が資産の調査を広げていて、通信会社へ依頼が来ている。群馬県警に電話を代わる」と電話がありました。
電話は、群馬県警の「ナカジマ」を名乗る男につながり、「あなたの銀行口座がマネーロンダリングに使われている。身の潔白を証明するためには資金調査が必要。守秘義務があり、一切の口外は禁止」などと説明されました。
その後、電話からSNSのビデオ通話に移行し、同じく群馬県警の「アライ」を名乗る男から、「紙幣の調査が入る。一時的に資金を預かり、問題が無ければ返す」と告げられました。
「アライ」を名乗る男は、50~60代の中肉、白髪交じりの黒髪短髪、青のシャツ、日本語を話し、後方の壁に指名手配のポスターがあったということです。
「アライ」の話を信じた女性は、自身の口座番号を教え、次は口座担当だという群馬県警の「タカハシ」を名乗る男に代わります。
「タカハシ」からは、実際に金融庁に登録されている暗号資産交換業者の口座を開設するよう指示がありました。
女性は内容をよく理解していませんでしたが、ビデオ通話の画面共有機能を使って、「タカハシ」から言われるがままにアプリを操作して現金を仮想通貨のビットコインに交換。さらに、仮想通貨のイーサリアムに交換し、指定された口座に送金したということです。
12月14日までに送金した暗号資産は、合わせて8020万円分にのぼります。
女性は、毎日午前8時~午前9時と午後8時に男らと定時連絡をしていて、「14日が最後の送金」と言われていました。ところが、14日の送金後、女性から連絡するも音信不通になり、詐欺だと気づいた女性が警察署を訪れたということです。
警察は、詐欺事件として捜査するとともに、「警察が現金や暗号資産を要求することはありません」として、詐欺と思われる電話が来た際には、警察相談専用電話#9110に相談するよう呼びかけています。














