専門家だけのイメージが強い宇宙業界を誰もが身近に感じるツアーが先週、北海道十勝地方で開かれました。

帯広市にある最新のガスプラントです。

観光バスから降りてきたのは全国から集まった大学生や社会人など33人です。

国の機関=北海道経産局が企画したその名も宇宙関連施設ツアーです。

ここで、つくられているのは持続可能な夢の燃料。宇宙との関連は?

エア・ウォーター北海道 バイオメタングループ 阿部麻衣子主任
「宇宙産業でロケットの燃焼実験の材料として使ってもらっています」

十勝地方のロケットベンチャーインターステラテクノロジズが開発中の最新ロケットの燃料です。

原料は、大樹町の牧場で飼育される牛の排泄物。

そこから、バイオガスを回収して、メタンを濃縮したもので酪農家の新たな収入源になる可能性を秘めた十勝産の夢の燃料です。

ツアーは、次の目的地へ。

大型バスは、迷うことなく普段は実験などに使われる滑走路に進入しました。

藤田忠士記者(多目的航空公園・大樹町 13日)
「今、航空公園の滑走路をバスで走っています。おもしろい体験です」

参加者の1人、橋本七海さんです。

このツアーに参加するため留学先のアメリカから駆けつけました。

アメリカの大学に留学中の橋本七海さん
「もともと宇宙関連企業で働きたいと子どものときから思っていて、今も航空宇宙を学んでいる。インターステラさんで働きたいとずっと思っている」

ツアーの最後は、宇宙関連企業の説明会です。

北海道経済産業局 次世代産業課 荒木秀聡 課長補佐
「宇宙企業の方に話を聞くと人材の確保は非常に悩んでいる。行政として情報発信をしっかりすることが重要」

2040年には100兆円規模の市場に膨らむ宇宙産業。

もう仕事にできるぐらい宇宙は、身近になっています。