岩手県大船渡市の工房では正月を前に豊かな森の恵みを生かした「臼」の製作が最盛期を迎えています。

大船渡市赤崎町の「木ばくり工房」では12月に入ってから恒例の臼づくりが本格化していて、17日も工房の代表でこの道39年の佐々木淳一さんが作業を進めていました。

佐々木さんが使うのは地元のケヤキの木で、餅をつく部分の穴を機械を使って開けたあと、「ちょうな」と呼ばれる道具で形を整えていきます。
一つを作るのに1週間ほどかかるという臼づくりは、気仙の木を生かした伝統工芸です。

(木ばくり工房 佐々木淳一代表)
「餅をつく人たちが笑顔で楽しんで餅つきできるように心を込めて彫っています」

昔ながらの臼と杵を使った餅つきを行う人は減っていますが、伝統的な正月文化を守るために佐々木さんはこれからも臼作りを続けるということです。