「家庭内で性虐待を受ける子ども ゼロとなる社会へ」

 実の父親からの性的暴行を告白している福山里帆さんとその夫が、家庭内性被害に苦しむ若者たちを支援する財団法人を立ち上げました。
 裁判期間中の生活費をサポートするのが目的で、「将来、家庭内で性虐待を受ける子どもがゼロとなる社会を作りたい」と話しています。

福山里帆さん

 富山県黒部市出身の福山里帆さん(25)は、実の父親・大門広治被告(54)から中学2年から高校2年までのおよそ3年間、自宅で性的暴行を受けたと告訴し、準強姦罪に問われた大門被告は今年10月に富山地裁で懲役8年の判決を言い渡されました。

大門広治被告

 裁判で大門被告側は無罪を主張し、同月に名古屋高裁金沢支部に控訴しました。

自らの裁判の経験から「仕事などを続けながら戦うことは極めて難しい」

 里帆さんはPTSDやうつ病、睡眠障害など様々な症状に苦しんでいますが、裁判では法廷で、卑劣な性被害の実態を証言しました。その準備にあたっては約1年前から合計9回、検察との綿密な打合せを重ねてきましたが、「その度に記憶がフラッシュバックし、日常生活に大きな影響が出ました」と話しました。そのうえで、「私は夫のサポートに助けられましたが、そうした支援が乏しい被害者からすると、仕事などを続けながら戦うことは極めて難しいと感じました」と振り返っています。

 こうした体験から、家庭内での性被害に苦しむ人たちの裁判期間中の生活費を支援する一般財団法人「Second Birthday(セカンドバースデー)」を、夫の佳樹さんとともに設立。財源は2人の自費のほか寄付などで賄われ、支援にあたっては「未成年の間に被害に遭い、みずからの刑事告訴によって加害者が逮捕・起訴された場合」などといった条件があります。法人を解散する際は、残った財産は全額国に寄付する。
ということです。

 里帆さんと夫の佳樹さんは、MBSの取材に次のように話しました。