「デジタル」でも安くない経費 内訳を見ると…

井上キャスター:
足立区は、デジタル商品券です。

Paypayで4000円分の商品券を購入すると、5200円分が使えるというものです。

最大10口購入することができ、4万円分を購入すると、使えるのが5万2000円分ということで、1万2000円がお得になるということです。

デジタル商品券の経費率はどのくらいになるのか、調べてみました。

足立区のデジタル商品券の予算規模は約14.2億円でした。経費を差し引くと、実質の支援規模が約12億円です。

経費として約2.2億円かかっていて、経費率は約16%でした。

内訳を見ていくと、サポート窓口設置などありますが、大多数がPayPay利用手数料としてかかっていることがわかりました。

「おこめ券は無駄だ」と大きく言われていた部分の経費が約22%で、一方でデジタルでの経費率は約16%ということで、デジタルも結構かかるということがわかります。

足立区では、紙とデジタルの両方で後押しすることを、7月に行っていました。

デジタルの商品券とデジタルで届かない方々に対して、紙の商品券ということで予算規模が約1.3億円、経費が6100万円かかりました。

単純計算では、経費率が約47%となります。

このときはデジタルの導入ということで、対応していない店舗の新規開拓なども合わせて6100万円かかったわけです。

こういった経費率がいろいろある中で、自治体の皆さんは頭をひねりながら、どうするかを悩んでいるところです。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
自治体だけではやっていなくて、いわゆる企業、足立区の例ではPayPayを利用していますが、民間を通じて行うので、こういう計算になるのかなと思います。

そこは交渉なのか、あるいは社会的にPayPayの宣伝にもなるので少し還元して、といったこともできたかもしれません。

いずれにせよ、デジタルだろうが、紙だろうが、一定の手数料はかかるということです。

ただ、長期でやるのであれば、どこかでそういうインフラにも投資しないといけないですよね。

数年後にまた使えるようにするというのであれば、数年に渡って少しずつ払えばいいわけですよね。それは考え方の違いですね。

井上キャスター:
先ほどの足立区の例で言えば、最初に最大10口買える人はいいですが、そこまで余裕がない人との不公平感は、どう考えますか。

あとPayPayに限られていますが、使っていない人はどう考えるか。もっと言えばスマートフォンを持っていない人は、どうするのか。

そう考えると、自治体もなかなか知恵の絞り方が難しいというのは想像できます。