三越の包装紙「華ひらく」は、もともとクリスマスプレゼント用としてデザインされた、日本の百貨店では初めてのオリジナル包装紙で、1950年に誕生し、1951年から三越全店で使われ始めました。この包装紙でギフトを贈った・貰ったという人も多いのではないでしょうか。

やなせさんは、この包装紙の「mitsukoshi」の文字を担当していて、企画展では当時のエピソードも紹介されています。

包装紙をデザインしたのは画家の猪熊弦一郎さんですが、当初の猪熊さんのロゴには「三越」の文字が入っておらず、猪熊氏から「『三越』の文字は君が書いといて」と言われ、やなせさんが「仕方がないから(笑)書いた」といいます。

こうしてデザインが出来上がった包装紙は、その後70年以上にわたって使われ続ける三越のシンボルとなっています。

やなせさんが手掛けた「mitsukoshi」の文字パネルは、もともとは東京と名古屋の三越だけで展示する予定でしたが、香美市が譲り受けて特別に開催されています。

▼香美市 あんぱん室 徳久智哉 主査
「やなせたかし先生といえば、代表作『アンパンマン』が出てくると思うが、色々な顔を持つ“マルチクリエイター”やなせ先生のルーツの中に、三越で仕事をしていたこともある、代表作『アンパンマン』だけではないやなせ先生の顔を知ってほしい」

特別展は「アンパンマンミュージアム」に隣接する「保健福祉センター香北」で、12月28日まで開かれ、2026年は龍河洞や香美市立図書館でも巡回展示されます。