徒手空拳で上京し…

これらの構想の基本は、自らの生い立ちにあったといわれています。
1918年、新潟の田舎(刈羽郡二田村)に生まれ、小学校を出ると建築現場で働きました。

号は「越山」。新潟と東京を隔てる雪深い山を超えるという意味でした。

16歳で上京、中央工学校夜間部に通いながら建築業に携わり、やがて政治家へと転身したのです。コンピューター付きブルドーザーと言われた角栄は持ち前の人心掌握術で仲間を作り、猛勉強を重ね、いつしか総理への道を駆け上っていったのです。

角栄氏の登場は、昭和という熱い時代を引っ張っていくリーダーとして、ある種の必然だったのかも知れません。

その心にあったのは「田舎の父ちゃんが出稼ぎに東京に行かなくてもすむ日本にする」でした。