長崎大学が所蔵する被爆資料で、日本最古の紙製人体解剖模型の修復に向けたX線検査が12月9日に行われました。修復にはクラウドファンディングで寄せられた寄附金が活用されます。

1860年に医学の教材としてフランスから取り寄せられた紙製人体解剖模型「キュンストレーキ」

原爆により右半身だけとなり、ガラス片が埋もれるなど被爆の爪跡を今も留めていますが、ひび割れなどが激しく明治以来の修復を行います。

宇佐美修徳堂・宇佐美 直治代表取締役「内部のことを知って、それから表面の修復にかかりたいなと。どのような素材が使われている、どのような技法が使われている、というのが参考になればと思っております」

9日、内部の状態を把握するため台座から125センチあるキュンストレーキを13年ぶりに展示ケースから取り出し、専門家が正面と側面からX線で撮影しました。

その結果、内部に多くの釘が打ち込まれているのが新たに分かるなど、修復作業に役立つ情報が得られました。

宇佐美 直治代表取締役「こんだけ釘使われてるとは思わなかったですよ。こういう風なところも(表面)ギリギリの釘が潜んでいると思いますので(それがわかると)サビ止めができると」

長崎大学の被爆資料の保存に向けては、およそ2,500万円の寄附が寄せられていて、キュンストレーキはその一部を活用し、今後1年かけて修復されます。














