クリスマスイブまであと少し、クリスマスケーキを販売する洋菓子店は、かき入れ時を迎えます。今シーズンは、仕入れする材料費の高騰が続いています。余儀なくされた商品の値上げは、なじみの味や店を守るための苦渋の決断でした。

周南市の洋菓子店「レッヒェルン」です。

中澤樹記者
「こぢんまりとしたお店ですが、たくさんのケーキが並んでいます。ただ、物価高の影響があり、頭を抱える冬を迎えそうです」


店によるとケーキに欠かせない小麦、乳製品などの材料費が、今年に入って毎月のように値上げされているそうです。

価格が安定していた卵の値上げも痛手となっています。当初は、すぐに収まるものと思っていました。」

記者
「ここ黒塗り?若干見えますけど、なんと書かれていた・・?」

レッヒェルン西野竜三代表
「これは『少しだけ』というのだったんですけど、(値上げを知らせる張り紙を)貼った当初からずっと上がり続けてきてるので、少しではなくなっているので、そこを消して『改正させてもらいます』に変えたんですけども」

仕入れ値高騰の終わりは見えず、12月はほとんどの商品で10円から20円の値上げに踏み切りました。電気代などが上がったこともあり、商品を値上げしても単純に利益が増える訳ではありません。
クリスマスの24日と25日は、洋菓子店にとってかき入れ時です。「レッヒェルン」では例年の8割ほどの予約が入ってるということです。そのほとんどが、常連客です。
材料費の高騰などを理由に、これまでに築いた信頼を簡単に裏切ることはできません。

西野代表
「バターのところを、マーガリンとかショートニングに変えるってすれば、安くものもできるとは思うんですけども、その今まで通りの風味だったりとか、食感だったりを出せるかって言われると、やっぱりグレードの低い。自分の納得できないものを作って、みなさまの口に入れていただくということは申し訳ないし、そういうことはしたくはないですよね」

値上げはしましたが、材料を変えず店を守り、苦しい冬を乗り越えようとしています。