今年も残すところあと半月余りです。
モノの値段が上がる中で、その影響は年末年始の食卓にも及びそうです。
今年の「年取り魚」の動向を取材しました。

新鮮な魚介類が並ぶのは、上田市にある丸水長野県水(まるすいながのけんすい)の魚市場。

朝早くから魚店の関係者や仲卸の業者などが仕入れに訪れますが、商品の“値上がり”に頭を抱えています。

(仲卸業者)「上がるのはしょうがないですけど限度を超えているところがある、このままだと本当に魚使う人がいなくなっちゃう」
(魚店関係者)「厳しいですよね、産地をちょっとずつ変えたりとかお安いところがあればそっちからとって調整できれば」

温暖化や海の環境変化によって漁獲量が減っている中で、原油価格高騰のあおりや円安による海外との買い負けなどが影響。
国内では1割から3割ほど魚介類全般の値上がり状態が続いています。

気になるのが年末年始に欠かせない年取り魚の「サケ」と「ブリ」。
戦前まで、千曲川にも大量に遡上していたサケは主に東北信で、富山県から飛騨地方を通って県内に入ったブリは主に中南信で消費されてきました。
その値段ですが・・・。

サケは今シーズン、大型の魚が少なかったことから、年末にかけて値上がりする傾向にあり、ブリも2、3割の価格の上昇が予想されています。

(丸水長野県水・今井徹営業2課長)「エサ代がどうしても上がっていますのでその分養殖のブリも価格が上がっている、天然は12月の最後のほうから入荷してくるんですけど養殖がこういう形なので天然も高いかなと想像しています」

この日、仕入れに訪れていた市内で魚店を営む二ノ宮功さん。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響が出始めた2022年の春以降、魚の仕入れ値は1割から2割上昇しました。
販売価格は量を調整するなどして据え置いていましたが、夏の終わりに値上げを実施。
年末年始に需要が高まるサケとブリについても、2021年に比べて値上げを決めています。

(二ノ宮功さん)「去年だと880円、今年は予定価格ですけど980円、極力値上げはしたくないんですけど、2割ぐらい高くなっちゃうかな」

これからの時期は年に一番の書き入れ時ですが、コロナ禍ならではの不安も。

「今年は息子娘帰ってこないので少なくていいよ、そんなのが去年は特に多かったので・・・、今年の年末も自粛されるのではと不安はある」

店では2021年からおせち料理の販売をはじめるなど、売り上げを維持する工夫をしていますが、若者の魚離れが進む中、一番は魚を食べてもらいたいと二ノ宮さんは話します。

「伝統みたいなものを忘れないでもらいたいやっぱり年越しはブリ食べるサケ食べるという食習慣で新年迎えていただけたらなと思います」