4地域別の確保病床使用率で、特に北信は9割前後の状態が続いていて、病床がひっ迫しています。
医療機関の現状を聞きました。


「言ってみれば経済を回す一方で、我々がこぼれ球を拾うゴールキーパーの役割をしているわけですね、ただもう、ゴールキーパーの体力も、そろそろ尽きそうですということなんです、正直なところ」
中野市にある北信総合病院の荒井裕国統括院長。
この病院でもコロナ用の病床の9割以上が埋まった状況がもう10日以上続いていると言います。
荒井統括院長が最も懸念しているのが、救急や一般医療への影響です。
「コロナの患者のための病床を確保したために病院全体のベッド数が減ってしまい、少し待っていただける検査や手術の患者に、入院をちょっと待っていただいて、そこでなんとかベッドを確保して救急の患者と、それからコロナ患者を何とか受け入れると、そのようにやっています」

また、入院患者の特徴として11月からの第8波では妊婦と透析患者の増加が目立つと話します。
「第7波の時に比べ、妊婦の感染も入ってきて、コロナにかかった状態でお子さんを出産する人も何人かいらっしゃいます、コロナとしての対応をしながら出産を行わなければならないとか、そういった形で様々な医療現場での負荷がかかってるということです」

第8波に入って亡くなる人も急増していて、12月公表された死者の数は、これまで最多だった11月を上回るペースで増加。
亡くなった人の多くが、高齢者や基礎疾患のある人です。
「元々本当に大変体力の弱い方が、たまたまコロナにかかってしまって、何とか今まで暮らしてこれたのが、トンと背中を押されたような形で具合悪くなってしまって、最終的にお助けできないとか、コロナそのものによる肺炎が起こって、それで若い方もなくなるとかそういうのとは違うんです、今の状況は」

最後に、年末年始を控え、これ以上医療態勢がひっ迫する可能性を含め考えを聞きました。
「年末年始に人が動いてまた陽性の方が増えて結果的に入院をしなければいけない患者さんが増えてきた時に、それに対応しきれるかというと大変厳しい、もうやるしかないんですけれども、追い込まれた状況ですね」