事件で亡くなった知人・塚本さんの言葉に
事件で亡くなった山口さんの知人・塚本達子さんは、28年間小学校の教師を務め、山口さんの子育てについて相談に応じてくれていたということです。
塚本さんは、「事件が起こるのは我々大人の責任、特に教師である私たちの責任だ」と常々言われていたそうです。塚本さんの思いがあるからこそ、山口さんはこうして事件のことを語ることができていると言います。
しかし当初、山口さんが、少年を擁護するような言い方をしていたことに対して、塚本さんの家族は嫌悪感を示していたと振り返ります。
(山口由美子さん)
「とっても嫌な顔をされました、当然だと思います。でも塚本さんの子供だから、そのうち絶対に分かってくださる。その信念があったからずっと(塚本さんの家に)お参りにいきました」
お参りを18年間続けたとき、塚本さんの家族から「山口さん、(お参りには)もうこんでいいよ」と言われたそうです。
(山口由美子さん)
「18年かけて、家族の再生・編み直しが、加害者、遺族の方も出来たんだなと思いました」
山口さんは去年、事件について記した本を出版しました。本の表紙を描いてくれたのが、デザイナーとして活動している塚本さんの息子でした。
「(塚本さんの息子が)表紙を書いてくれるって言って。私はこの本が出版できたおかげで、心が非常に軽くなった出来事でした」
山口さんは、まず自分の思いを空にする、すると相手の本当の思いを知ることができ、初めて人の話を聞くことができるーーー、「起きたことは変えられない、でも向き合い方は変えられる」と訴えました。
*講演会は岡山商科大学犯罪被害者支援部「つぼみ」が主催。2025年12月3日に開催されたものです【画像⑧】。














